新NISAの仕組みを1ページで整理する — 「枠」の正確な理解が最初の一歩

NISA

※本記事は教育・解説を目的とした制度の説明であり、特定の金融商品の売買や口座開設を勧めるものではありません。制度の内容は金融庁の公表資料(2026年7月時点)に基づきますが、税制は今後変わる可能性があります。実際の利用にあたっては最新の一次情報をご確認ください。

当サイトは値動きの統計分析(銘柄カルテ)が主役ですが、その土台になる「どの口座で持つか」の制度知識を1ページにまとめておきます。出典はすべて金融庁のNISA特設ページと税制改正資料です。

2つの「枠」— つみたてと成長

2024年に始まった新NISAには、性格の違う2つの枠があります。

つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
対象商品 長期・積立向けの基準を満たす投資信託 上場株式・投資信託など(整理・監理銘柄等を除く)
買い方 積立(定期買付) 一括もスポットも可

2つは併用でき、合計で年間360万円まで。個別株を買えるのは成長投資枠だけです。

生涯の上限は1,800万円(簿価ベース)

年間の枠とは別に、生涯にわたる非課税保有限度額が1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)あります。ここで大事なのが「簿価(=買った値段)で数える」こと。買った商品が値上がりしても枠は減りません。減るのは新しく買ったときだけです。

そして意外に知られていない性質が2つあります。

  1. 売却すると、売った分の簿価だけ生涯枠が復活する。ただし復活するのは翌年以降で、年内には戻りません。年間360万円の枠も、売っても年内は回復しません。
  2. 非課税期間は無期限。旧制度(一般NISA5年・つみたてNISA20年)にあった期限は撤廃されました。

「売っても年内は枠が戻らない」という性質は、短期の売買を繰り返す使い方と相性がよくありません。これがどのくらい結果に効くのか、当サイトのバックテストエンジンで実測した記事を今週続けて公開します。

損益通算ができない — 非課税の裏面

NISA口座の利益が非課税になる代わりに、損失もなかったことになります。課税口座どうしなら可能な「他の利益と相殺して税金を減らす」(損益通算)や損失の繰越控除が、NISA口座の損失ではできません。非課税はプラスのときだけ効く、という非対称性は覚えておく価値があります。

そのほかの基本ルール

  • 対象は18歳以上(その年の1月1日時点)、1人1口座
  • 配当・分配金も非課税(ただし株式の配当は「株式数比例配分方式」を選んでいる場合)
  • 金融機関は年単位で変更可能

2026年の税制改正で決まったこと

2026年度の税制改正では、NISAの拡充が決まりました(金融庁「令和8年度税制改正について」より)。

  • 18歳未満にもつみたて投資枠を解禁(2027年1月から)。年間60万円・非課税保有限度額600万円で、18歳になると自動的に通常のつみたて投資枠へ移行します。
  • つみたて投資枠の対象商品が拡充。「主に株式に投資するもの」に限られていた要件が「主に株式又は公社債に投資するもの」に広がり、債券中心・バランス型の投資信託が加わります。

この回の持ち帰り

  1. 枠は「年間360万円(120万+240万)」と「生涯1,800万円(簿価)」の二段構え
  2. 売却で生涯枠は復活するが翌年から。年内の枠は戻らない
  3. 非課税は利益だけに効く。損失の損益通算はできない
  4. 2027年からは18歳未満にもつみたて枠(年60万円)が開かれる

出典: 金融庁「NISAを知る」(fsa.go.jp/policy/nisa2)、金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月)。数値・要件は2026年7月時点の公表資料に基づきます。

※本記事は制度の解説(教育目的)であり、特定商品の売買推奨・将来の税制や値動きの予測ではありません。

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